なりたい通信 2024春号（vol.17）
先生方ときづく5分間。
さあ、新年度！
2024.3.25 発行

◆まなびtrend

今年は楽しんでなんぼの「さとり世代」！？

「〇〇世代」。マスメディアでも多用されて日常に浸透しつつあります。このメルマガでも前回はZ世代についてご紹介しました。Z世代という呼び方は、1950年代に海外で新世代の若者のことを「X世代」と呼んだことから派生して、以降の世代を分類したものです。日本においては、経済状況や学校教育の指導要領に従って分類されていて、Z世代（1996年～2010年ごろの生まれ）の中でも、さらに呼び名が分かれています。
その中で注目なのが、この4月から大学に入学してくる「さとり世代」です。ゆとり教育から脱した義務教育を受けてきた、2005年以降に生まれた世代を指しています。不景気の中で育ち、雇用が不安定となる社会を目の当たりにしてきたこの世代は、将来への期待感が少なく、安定した生活を目指してものごとを選択していくのが特徴です。達観している様子に「とっつきにくいかな」とも思えますが、自分軸で生きる力を秘めている頼もしい世代でもあるので、ぜひその力を引き出していきたいものです。
では、そんなさとり世代への指導やコミュニケーションには、どのようなコツが必要になるのでしょうか。ポイントをいくつかご紹介していきます。

～その1～ 納得感が大事。命令より提案
なぜこのタスクが必要なのか予め説明し、納得することでモチベーション高く取り組めるさとり世代。この世代に限ったことではありませんが、「やらされている」と感じさせないアプローチが肝要です。

～その2～ 指摘はPNP法で
SNSに慣れ親しんだこの世代は、考え方や意見が異なる人を「ブロック」することに慣れています。ですが指導する側は拒否されるとわかっていても、時には厳しいことも伝えなければなりません。そんな時には指摘したいこと（N：ネガティブ）を、褒めたいこと（P：ポジティブ）で挟んで伝えるのが効果的です。

～その3～ 結果よりもプロセス重視
努力している姿勢や成長した点を伝えることが、さとり世代の自己肯定感を高めることに繋がります。結果よりもプロセスに着目して「頑張りを認めてくれる先生」と感じてもらうことで学習意欲の向上が期待できます。

いかがでしたでしょうか。これらのコミュニケーションのコツでわかるように、特にさとり世代は、学生が主体となって学んでいくスタイルを好みそうです。学生同士や学生と先生など、相互の学び合いを作ることで相乗効果を狙っていきましょう。さとり世代と言えども、4月から始まる新生活に不安や緊張をたくさん抱えています。新しいジェネレーションとの交流も含めて、お互いのドキドキを共有し、楽しみながら授業を進めてくださいね。