WORK ACADEMY ARCHIVE

「学び」の現在とワークアカデミーの動き

なりたい通信 2021秋号(vol.13)
先生方ときづく5分間。
走り切る師走!
2021.12.16 発行

こんにちは。(株)ワークアカデミー(以下、WA)人材開発の西山です。
2021年3回目のなりたい通信をお送りしています。
秋号と謳っていますがすっかり年末の様相になってしまいました。皆さま今年はどんな1年でしたでしょうか。まだまだ落ち着かない日々が続いていますが、ちょっと一息、お茶でも飲みながらご覧ください♪

◆まなびtrend

いまさら聞けない、初年次教育って?

皆さま、「初年次教育」と聞くとどんなイメージを持たれますか?
文科省のサイトでは「初年次教育:高校から大学への円滑な移行を図り、大学での学問的・社会的な諸経験を“成功”させるべく、主として大学新入生を対象に作られた総合的教育プログラム。高校までに習得しておくべき基礎学力の補完を目的とする補習教育とは異なり、学問的・知的能力の発達、人間関係の確立と維持、アイデンティティの発達、キャリアと人生設計、肉体的・精神的健康の保持、人生観の確立など、大学における教育上の目標と学生の個人的目標の両者の実現を目指したものになっている。」と定義しています。これまでも大学ごとの呼び方で行われてきたものもありますが、2000年代半ばから上記の定義のもと急速に拡大し、全国の大学でカリキュラムが組まれるようになりました。

高校までの「勉強」を大学での「学び」へと昇華させる土台となる初年次教育。その意義をもう少し深堀してみましょう。少し前の学会誌にわかりやすく表現しているものがありました。

「ノートの取り方を説明します」といったとき、多くの学生の反応は「なぜ今さら大学に来てまでノートの取り方を聞かなくてはならないのか」というものである。それに対して「なぜノートの取り方を学び直さなくてはならないのか」を学生たちに納得してもらった上で、授業に参加してもらうことが、初年次教育として重要なこととなる。そのためには、学生たちの「高校卒業レベルのノートの取り方」に疑問を投げかけることが有効である。例えば大学卒業後に社会に出てからの「情報収集場面」をイメージしてみよう。どこかの企業の社員として、取材に出かけた場合に、取引先は大事なポイントを「板書」してくれるとは限らない。もしかしたら、資料の配付もなく、口頭で重要事項を説明するだけかもしれない。それでも君たちは、重要だと思うことを自分で判断し、的確にメモしなくてはならないのだと。このような例を出すと、「先生が板書をすることを正確に記録するのがよいノート」ではないことに学生は気づく。そして、これまでの自分のノートの取り方は「先生が大事だと明示したことを漏らさず書き取る」だけのものであり、自分なりの工夫ができていないということの自覚に至る。そして「大学での学び」も同様でどこが重要なのかは先生が明示してくれなくても、自分で判断すべきことが多いし、そうした姿勢こそが積極的な学びと呼べるものである、という話にまで展開することができる。

このような基礎力の積み重ねが、大学生としての学ぶ姿勢やモチベーションの引き上げに繋がるのだと思います。

では実際の授業の内容としてはどんなものがあるでしょうか。ざっくりと分けると、大学で学ぶために必要なスタディスキルの習得(レポートや論文の書き方、プレゼンテーションの仕方、文献の使い方など)、学びの動機付け(4年間の学習計画など)、時間管理や学習習慣の確立、専門教育への導入、情報リテラシーの習得などがあり、これらに将来設計を促すキャリアデザインが含まれることもあります。

初年次教育は大学4年間で、何を・何のために学ぶか、どのように学ぶか、ハウトゥーが詰まった位置づけであると言えますね。WAで運営している大学の授業でも多くを占めるのが実は初年次教育。今回は学生を取り巻く環境について改めてお伝えしてみました♪

参考・引用したサイト
文部科学省「大学における教育内容等の改革状況について(平成28年度)」
文部科学省「用語解説」
リメディアル教育研究「初年次教育の目的と実際」

◆WAからのお知らせ

新しいテキスト発刊と講師募集について

まなびtrendに関連してWAからお知らせです。
noa出版から、大学での授業に活用できるデータサイエンスの入門書として「基礎からはじめるデータサイエンス」を発刊しました。このテキストは初年次教育での使用を想定しており、文理を問わず初めてデータサイエンスを学ぶ学生にお勧めです。宣伝になりますが、テキストのおすすめポイントを記載させてください。

  • データサイエンスが求められる社会の背景から学び、事例を軸にしてデータサイエンスのプロセスと分析手法を身に付ける
  • 分析手法ごとに確認問題を設置。理解度を測りながら進めることが可能
  • 実際のデータを使用した課題も設けており、より実践的な学びが可能
  • 教育現場で活用しやすいよう、標準シラバスや教材データをご提供

大学に求められる役割の変化、中でも大きな情勢はDX人材育成の推進です。こちらのメルマガでもよくトピックスとして登場していますね。大学全体での取り組みはもちろん、初年次教育という枠組みの中では、パソコン操作の類の授業が「データサイエンス」にどんどん置き換わってきています。私たちもまさに今、たくさんの大学から授業運営・テキストに関するお問い合わせをいただいている状況です。

そこでWAでは今後増えるデータサイエンス授業に備え、講師を募集しております。

  • すでに弊社や他の現場でご経験のある方
  • ご経験はこれからですが積極的に準備したいと考えている方
  • 他科目の経験を活かしてチャレンジしたいと考えている方

下記の登録フォームにてエントリーください。 今後、弊社発刊のテキストに沿った講習会や、情報共有の機会、そしてお仕事などもご案内させていただきます。

エントリーフォーム

併せて、新しいテキストもチェックしていただければ幸いです。

noa出版「基礎からはじめるデータサイエンス」

○編集後記

最後までお読みいただきありがとうございます。
今年は「ニューノーマル」という言葉をよく耳にしました。コロナ感染防止に関する言葉として使われることが多いですが、コロナ禍をきっかけに「学び方」もニューノーマル化しつつあると感じています。これからもニューノーマルという学びの進化をキャッチし、講師の皆さまにお伝えできればと考えております。2022年もWA&なりたい通信をどうぞよろしくお願いいたします。

WAではオンライン講座を随時開催しています。
皆様の学びの場、スキルアップの場、交流の場としてご活用いただけますと幸いです。
この講座は先生方の企画持ち込み型で運営しています。ご興味ある方は、担当者:旭までご連絡ください。

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