日本一の高層ビルをまるごとキャンパスに
2014年のあべのハルカス開業と同時に始まったハルカス大学。
大学のサテライトキャンパスとともに、セミナールームも備えた新たな学びのためのプロジェクトだ。
今までワークアカデミーが提供してきた情報教育とは、ひと味違う個性的なテーマで展開するハルカス大学について、事務局の川上雄一郎から詳しく話を聞いた。
Q_01ハルカス大学という新たな試みは、どういう経緯で始まったんですか?
あべのハルカス開業に向けて、サテライトキャンパスのコーディネーションを担当したのがきっかけです。
高層の立体都市がハルカスのコンセプト。
都市から百貨店やホテル、オフィス、美術館に加え、教育機関も必要ですよね。
サテライトキャンパスがある23階にワークアカデミーもテナントとして入り、新たな学びの拠点として活用していこうということで始まりました。
ハルカス大学は教育法上で定められた普通の大学ではありません。
だから、入学資格もありませんし、4年間通う必要もありません。
気になる講座やプロジェクトがあれば、中学生や主婦、シニアの方など、誰でも参加していただけます。
Q_02どういった講座やプロジェクトが、展開されているんですか?
当社では今まで情報教育をメインにしてきましたが、ハルカス大学ではその枠にとらわれず多彩な講座を実施してきました。
例えば、あべのハルカス美術館と連携した美術講座や、ロボットを使ってプログラミングの基礎を学ぶ親子講座は毎回盛況ですね。
それと意外な反響が得られたのがハルカス建築大学やハルカス百貨店大学。
その業界に就職を希望する学生を狙って立案したプログラムだったのですが、参加者のほとんどが同業界のビジネスマンという結果に。
ファミリーやビジネスマンといった新たな層にアプローチできるコンテンツ開発への試金石となっていますね。
Q_03海外人材との交流もハルカス大学のテーマとなっていますが、具体的には?
ハルカス大学の活動の一環として行っているのが、大学生が実際にゲストハウスで働きながら、外国人の方と触れ合うなかで、実際に使えるコミュニケーションを学ぶ試みです。
これは天王寺公園のてんしばの近鉄フレンドリーホステル天王寺公園の協力を得て実施。学生にはボランティアではなく、賃金の支払われるアルバイトとして関わってもらっています。きちんとお金をもらえる方が責任感を持って関わってもらえますからね。
将来的には海外人材と企業とのマッチングや生活習慣の理解を含めた定着支援といった方面にも展開していきたいと考えています。
Q_04これからハルカス大学は、どのように展開していくんでしょうか?
ワークアカデミーでは、もう一つ新たなプロジェクトが立ち上がりつつあります。
それがUMEDAI。梅田の街を学びの空間に変えていこうというプロジェクトなんですね。
あべのハルカスという高層ビルを立体的に活用したハルカス大学を、UMEDAIプロジェクトのなかの重要な拠点として位置づけて、より大きな学びの体系を作っていきたい、というのが私たちが掲げるビジョンです。
UMEDAIは、2018年4月に茶屋町を拠点として本格始動します。今後の動きにご期待ください。